最初にまずは注意書き。
以下の文面は、あくまで「事務からみた医療費についての一般的なお話」
であって、病気治療には何が良いとか効くとかそういう医学的なお話
では全くございませんので、そういうことは期待しないで下さい。
私医者じゃない（うちの病棟担当の薬剤師さんの口癖）
あと、２０１２年６月現在の話なので、今後変わる可能性があります。
何をいきなりこんな話か、というと、すこし前に
「治療に”丸山ワクチン”を使いたい」
といいだした方がおりまして。
まぁ、結果的に使うことはあきらめたようなのですが、一番の理由は
治療費が高額になる、ということなわけです。
丸山ワクチン、というのは、ググればぞろっと出てくるので詳しくは
省略しますが、簡単に言ってしまえば
「無認可のガン治療薬（かもしれない）」…というところでしょうか。
カッコつけたのは、現在正式に”薬剤”として認められていないから。
薬事法上”薬剤”として認可されたものが『〜の治療薬』という効能を
語ることが出来るので、認可されていない以上、丸山ワクチンは
『ガンの治療薬』ということは法律上不可、となるわけです。
んで。
治療薬、ではないので、健康保険が使えません。
つまり、丸山ワクチンを使おうと思った場合、
それに関する費用の全てが医療費としては認められないため、
全額自己負担になる、という話。
丸山ワクチン自体の費用だけでなく、投薬方法が注射だか点滴だかなので、
それに関する費用（器材とか手技料とか）丸山ワクチンを使う前・後の
結果比較用の検査（血液検査やレントゲン・CT検査など）まで全て
自己負担となるうえ、丸山ワクチンを使用中入院していた場合は、
入院費も自己負担になってしまいます。
ただし、丸山ワクチンを使用期間中でも、ガン以外の病気で入院した場合は
普通に保険扱いになります（その間丸山ワクチンは使えませんが）
通常は７０歳以下は医療費の３割、７０歳以上は１割が自己負担なのですが
たとえば盲腸で手術する為に１週間ほど入院した場合、
３割負担の場合はおおよそ１０万〜１５万円程度かかることが多いです
（つまり、実際は５０万近く医療費がかかっているわけです）
さらにいうと、高額医療限度額認定制度、というものが
健康保険にはありまして、７０歳以下の場合、一般的に一ヶ月で
大体８〜９万程度の自己負担以上の負担金が発生した場合は、
上限を超えた分は還付される、という制度があります。
つまり、自己負担で５０万いったとしても、最終的に８〜９万程度に
収まる（４０万円程度還付金として戻ってくる）わけです。
これは、先に申請しておいても後から手続きをしてもかまいません。
先に申請した場合は、最初から支払いが８〜９万程度でおさまり、
後から手続きした場合は最初払った分から８〜９万程度引かれた分が
後日（大体２〜３ヵ月後）返金される、と思えば。
入院して手術、というのがあらかじめ決まっている場合は、
先に申請したほうが楽かな、と思いますが、そこは個人の自由です。
ちなみに７０歳以上の場合は上限金額があらかじめ決まっているので、
通常申請の必要はありません。
詳しく知りたい方は、ググればいいとおもうよ（このやろう
閑話休題。
盲腸ならちょんっと切っておしまいですが、ガンはそうはいきません、
ちょんっと切っても再発することもあります。
ガンの治療は、「ガンを治す」というより、「ガンのサイズを縮小させる」
「切除した後再発の可能性があるガンの予防」という面も大きいため、
ガンの治療は一生の話になってしまいます。
つまり、丸山ワクチンをガンの治療に使用しようと思ったら、
丸山ワクチンの使用も一生、ということになるため、
医療費が今後まるっと自己負担になる（還付なし）という
恐ろしい話になる、ということです、金銭的に（…
ちなみに、丸山ワクチンを使うことそのものは、
使ったことでより悪くなった！謝罪と賠償を！
とか寝ぼけたことを言い出さない限り、病院的には
可でも不可でも無い、くらいです（医学的には知らん）
まぁ、通販の健康食品なんかと同レベル程度の扱いと思っていただければ。
効くかどうかは個人差がありますってアレな！
プラセボ（偽薬）でも思い込みが激しいヒトには効いちゃうんだぜ☆
まじで。
|