Gem Times あるうららかな昼下がりのギルモア邸。 一昨昨日、008ピュンマがメンテナンスに日本にやって来た。 昨日はなぜか用事も何もないのにジェットがやってきた (自前の推進機で海を越えたのだろうことは容易に予測できる)が、 これは良くあることなのでもう今更誰も気にしない。 そんなことで、珍しく、賑やかだった…先刻までは。 つい一時間ほど前、ジョーとフランソワーズは買い物に出かけ、博士はイワンと地下研究所へ、 ジェットは…昼飯を食べた後どこぞへ飛び出していった。 おそらく、夕飯までは帰ってこまい。 グレートは家にいたが、昼食後、自室に行ってしまった。 そんなわけで、今、広いギルモア邸のリビングにいるのは、ピュンマ一人だった。 飛行機の乗り継ぎで立ち寄ったフランスで手に入れた本を読破中である。 静かに流れる読書時間。 ピュンマは、この時間が大好きだった。 自分の国では、望むべくもない時間なのだけれど。 故郷では、読書なんぞと言う高尚な趣味はそもそも持てない。 「本」が無いからだ。 たまに手に入るものといえば、子供たちのためのアルファベットブック。 あるいは、政治色の強い、新聞。 「都会」との落差は激しい。 その都会ですら、常に欲しい本が手に入るとは限らない…根強く残る、南北落差。 明らかに、アフリカは未だ遅れを見せている。 餓えと貧困、内戦の名残の爪痕に今だ喘ぐ人々が国に帰れば大勢いる。 それでも。 ピュンマは思う。 たまに、日本に来た時位は自分の好きな読書を思いっきりしてもばちは当たらない。 たぶん。 思わず、ふふ、と微笑をもらす。 「何を笑っているのかな?」 「んぎゃうわ?!」 おもわずはしたない声を出してしまった。 無駄に自己主張する心の臓を抑えて振り返れば、午後の陽光に照り輝く禿頭―――グレート。 「何をそんなに…気付かなかったのか、珍しい」 グレートも驚いたように見つめ返してくる。 「みたいだ…日本で平和ボケしたのかな」 苦笑しながら返す。 「参ったな…時差ぼけならともかく、平和ボケなんて。  国の仲間に申しわけが立たない」 真剣に悩みこむピュンマ。 今度はグレートが苦笑する。 「そんなに悩みこみなさんなって。  我輩のように禿げるぞ?」 「え?」 思わずギョッとしてグレートを見返す…妙に、説得力があった。 かち合ったヘーゼルの瞳がきらきらと輝いているのを見て、からかわれたのだと漸く知る。 「わざとこっそり入ってきたのか…?」 「さてね…何をそんなに真剣に読んでいたのかね?」 さりげなく話をそらされる。 些か釈然としないが、とりあえず気にしないことにする。 「フランスで手に入れたんだ。鉱石の本」 表紙をグレートに見せながら言う。 グレートはピュンマから受け取り、何となく中を眺める。 本の中では、様々な色とりどりの鉱石が躍っていた。 「ほう…鉱石に興味があったとは知らなんだ」 「うん、ぼくも知らなかった」 「おいおい」 思わずつっこみを入れるグレート。 「たださ、何となく手にとって。  意外と面白かったんだ、これが」 様々な鉱石の下に書かれている説明文はフランス語。 グレートは、フランス語が出来ないわけではないものの、専門的な文章は些か難しすぎる。 ピュンマに本を返し、自分もソファに腰掛けた。 「知ってた?『ジェット』って言う鉱石があるんだ」 「…は?」 グレートは頭の中に、あの騒々しいアメリカの小僧を思い浮かべる。 つんつんした癖の強い赤い髪に、派手な顔立ち。 『ジェット』という石も、そういう明るい色彩の石なのだろうか。 「鉱石、とは一寸違うんだけどね。  古代の流木が化石化したものだから。  真っ黒い石でさ、モーニングジュエリー(喪服用の装身具)  として使われていたんだって」 続くピュンマの科白に、ガラガラとイメージが見事に崩れる。 ほらこれ、とピュンマが見せた写真には、石炭の親戚のような、真っ黒いひたすら地味な石が写っていた。 「はー…これはまた、えらく貧相な…」 どうコメントして良いのやら、といったようにグレートがつぶやく。 「だろ?なんか意外でさ、ビックリしちゃって。  ジェット、って言うからにはもっと真っ赤い石かと思ったのに」 「ふうむ…赤い石ねえ…ルビーとか?」 とりあえず思いついた石の名前を挙げてみる。 「うーん…ぼくもそう思ったんだけどさ。  もっとぴったりなの見つけたんだ…  『スピネル』っていう赤い石。  棘って意味があるんだって…  あのつんつん頭っぽくないか?」 これ、と見せられた写真の石は、八面体の鋭角的な結晶だった。 思わず噴出すグレート。 「確かに、こりゃああの空飛ぶ不良坊や  (フライング・ヤンキー)にソックリだ」 「だろ?」 にんまりと白い歯を見せてピュンマが笑った。 「お前さんにソックリの石は何か無いのかね」 ひたすら笑った後、ふと思いついてグレートがピュンマに尋ねる。 首を傾げるピュンマ。 「ぼくに似た石?わかんないな…グレートに似た石なら」 言いながら、パラパラと本をめくる。 「ほらこれ…オパール」 見せられたのは、光の加減で様々な色がちらつく宝石。 石の中に虹が見える、といったのは誰だったか。 「しかしこりゃ余りにもロマンティックすぎやしないかね」 「いいんだよ。似合う石じゃなくて、似た石、なんだからさ。  光の加減で色がくるくる変わるとこなんか、あんたソックリだよ」 な、007『カメレオン』? そうコードネームで呼びかけられ、ふとグレートは思い出した。 「しからば、貴殿に似た石はさしずめ『黒真珠』であろうかな」 「は?」 きょとん、とするピュンマ。 「深い深い海の底、人魚の悲しみの涙を受け取った貝が、  その身の内に抱えた美しき漆黒の宝玉」 「何それ…何処の昔話だよ?」 「今即興で作った」 訝しげなピュンマにしれっと答えるグレート。 本をめくると、真珠の色のバリエーションの一つとして小さく載っていた。 「続きはこうかな…  悲しみの感情から出た真珠は黒い色になるが、  喜びの感情が昂じて溢れた嬉し涙は  黄金(きん)色の真珠となる」 「はいはい…まあ、でもそうか、真珠か…  …うん、悪くないな」 と、水中型サイボーグ。意外と気に入ったようだ。 実はロマンチストだったのか、こいつは。 こっそり、グレートは口の中で呟いた。 「ただいま」 「今帰ったわ…あら、ピュンマにグレート?  なんか珍しい組み合わせね」 がさがさと買い物袋の音をさせながら、フランソワーズとジョーが買い物から帰ってきた。 「おかえり、二人とも」 「…そんなに珍しいもんかね?」 ピュンマはにこやかに出迎え、グレートはフランソワーズの呟きを聞きとがめて訝しげにする。 「そうねえ…ほらグレートって、普段張大人とか、  アルベルトと仲良いようなイメージがあるから。  で、ピュンマはどちらかといえばG・ジュニアと仲良いでしょ。  だから何となく、珍しいな―って」 キッチンの方から、買ってきたものを冷蔵庫につめながらフランソワーズが答える。 「コーヒーと紅茶、どっちにしようか?」 ジョーが聞く。 フランソワーズが小首を傾げながら答えた。 「ピュンマが来たときお土産で買ってきてくれた紅茶はどう?  まだ飲んだこと無いわよねえ。」 「ああ、ケニア産のあれか。  たまには一風変わった趣向も良いのではないか?」 グレードが同意し、ジョーを手伝おうと立ち上がった。 ピュンマはそれを見送り、入れ替わりにフランソワーズがソファに座った。 「…で、二人で何お話してたのかしら?」 いたずらっぽく碧瞳を輝かせながら尋ねる。 「んー、フランスで鉱石の本を手に入れてさ。  それを見てて、まあ、一寸したきっかけで  何となくぼくたちに似た石はどれか、って話題が出てさ」 かいつまんで今までの経過を説明する。 フランソワーズも興味をひかれたようだ。 顎に手を当てて、考えながら言った。 「なるほど。  いっそその調子で全員分考えてみるのも面白そうよね。  ジョーのイメージだと何かしら?」 「何だと思うの?  こういう宝石関係は女の子(きみ)のほうが詳しいんじゃない?」 「それを言うなら、『ジョーに関することは』だよ、ピュンマ」 些か質のよろしくない笑いを浮かべながら、タイミングよくグレートがジョーと紅茶をもってやってきた。 「あ、なるほど」 「一寸…」 あっさり同意するピュンマに思わず赤面するジョー。 当のフランソワーズはといえば、たいしてうろたえもせず、平然と答えた。 「そうねえ…やっぱり、ダイヤモンドかしら?  私たちの中で一番強いし」 「フランソワーズにとっては、なによりも特別な存在だし?」 まぜっかえすグレート。 無言で彼の膝をこっそり蹴り飛ばすフランソワーズ。 顔色一つ変えないグレート。 さすがというか何と言うか。 そんな攻防を露とも気付かず、ジョーがのほほんと言った。 「フランソワーズもダイヤモンドかなあ」 いや、むしろフランソワーズはきっとその全てが宝石で出来ているに違いない。 まろやかな白磁の肌は象牙、陽光にきらきらと透ける髪は琥珀。 碧(あお)い瞳は、光の具合でサファイヤのように深く、あるいはエメラルドのように明るく輝く。 クリスタルベルのような音を紡ぐ唇は珊瑚のよう… ウットリと自分の空想に浸るジョー。 「おーおー、お熱いことで」 呆れたように茶化すグレート。 ぼんやりと夢見るような顔のジョーを無視してピュンマが発言する。 「うーん…ダイヤよりもう少し優しい感じの石だと思うけど。  そうだなあ…サファイヤとか。  知性の石なんだよね。確か。  感覚を高め、遠くを見通す」 「あら、石言葉なんて良く知ってたわね、ピュンマ」 「いや、これに書いてあった」 感心したようなフランソワーズにあっさりネタ晴らしするピュンマ。 「なあんだ」 フランソワーズは拍子抜けしたように一寸唇を尖らせた。 そんなフランソワーズを見て、ジョーが一寸すねたような顔も可愛い、 とこっそり呟いていたのをグレートがうっかり聞いてしまい、 ますます呆れたように軽くため息をついたのだった。 「えっと…ジェットがレッドスピネルで、  ピュンマが黒真珠でしょ。  グレートがオパールで、ジョーはダイヤモンド。  それから私がサファイヤ。  そうよね?」 とりあえず、今まで出た分を一通りフランソワーズがまとめて、紙にメモをする。 「そんなメモなんかして如何するのさ?」 ピュンマがつっこむ。 フランソワーズがにこやかに答えた。 「んー…何となく…いつか役に立つかなーなんて」 「立たないと思うよ…?」 「まあまあ、長い人生何があるか分からんものだし。  もしかしたら本当に役に立つかもしれないだろう?  何かプレゼントを送る、なんて時にでもな」 呆れたようにさらにつっこむピュンマをグレートがフォローする。 それからこっそり視線をピュンマに送る。 その視線は、如実に『余計なことを言ってフランソワーズの機嫌を損ねるなよ』と言っていた。 「後出てないのは、張大人でしょ、G・ジュニアでしょ、  それからイワンにアルベルト…」 「難しい人たちが残ったね…」 さらに紙に名前を書き進めながら呟くフランソワーズに、困惑したようにジョーが続ける。 「イワンは、クリスタルなんてのはどうかね?」 「水晶?」 思いついたようにグレートが言うのに、不思議そうにジョーが問い掛ける。 一つうなずき、グレートが続けた。 「大英博物館に、水晶球が展示してあってな。  昔、天使の啓示を受けた魔術師が使っていたものだとか。  それを何となく思い出してね。  それにほら、水晶は不思議な力を持つ石だとよく言うだろう」 「クリスタルヒーリングとかはやってるものね」 「マヤの水晶どくろとか、不思議な力をもっているって言うもんね」 グレートの説明にうなずくフランソワーズとピュンマ。 「そうだね。  じゃ、張大人は?」 顎に手を当てながら考えるジョー。 「大人か。  なんであろうな…炎か?」 グレートもつるりと頭に手を当てて考える。 「それより料理人って感じかな」 「そうよね。  でも、大人が作る料理って、中華料理ばっかり。  美味しいんだけど、何となくカロリーが気になっちゃって」 サイボーグになっても女の子はカロリーが気になるものなのか。 口に出すと怖いので、グレートはこっそり心の中で呟いた。 ふと、ピュンマが疑問を唱える。 「中国と言えばさ、中国のドラゴンが手に持ってる  あの丸いのって、何なんだい?」 「そういえば確かにボールみたいなものを持ってるな…  中国産の宝石かね?」 「え…さあ…僕も良く知らないけど…  翡翠かなにかかな…」 ピュンマとグレートの視線にひるみながら、ジョーは中国っぽい石を適当に答えた。 因みに龍が手にもっているのは、五色の珠(ごしきのたま)と言い、 赤、青、白、黒、黄色の五色に輝く想像上の宝玉である。 間違った知識を教えてしまったジョーが、張大人に怒られるのは、また別のお話。 「でも大人のイメージとは一寸違うわ」 女性的な、柔らかな色彩の翡翠はそれはそれでエチゾティックで素晴らしいが、 あの終始にこやかな笑顔の炎の中国人とは一寸そぐわない気がする。 「そうだよね…大人って言うとやっぱり料理人って感じ…  食べられる石とかあれば彼っぽいとか思うけど」 「あるよ」 ジョーが駄目元で適当に言った言葉にピュンマが本をめくりながら答えた。 「あるの?!」 「どんな石なのかね?」 おもわず言った本人より周りがビックリする。 全員に詰め寄られて少々腰がひけながら、ピュンマが該当のページを探し出した。 「ほら、これ…。  『岩塩』って言うのだよ。  蒸発岩って言って、海水が蒸発して、  凝固することによって出来るんだって。  砕いて料理用の塩にも使われるらしいよ」 「へー…塩の岩なんだ。  料理に、なんて大人にぴったりだね」 「塩って言うからには白いかと思ったが、  なかなかどうして色々な色彩があるじゃないか」 「うふふ、じゃあ、これが大人ね」 楽しそうにフランソワーズが手元の紙に書き込んだ。 「あの寡黙な大男は如何なものかな」 「G・ジュニアかぁ…  なんだろう。  自然っぽい、素朴な石かな?」 「あんまりきらきらした石というのは違うよね。  もっとこう…優しい、一見地味だけど力強い石」 男三人が額を寄せ合って本をめくりながら考え込む。 「フランソワーズはどう思う?」 ジョーに聞かれ、フランソワーズが首を傾げながら答えた。 「ジャスパーなんかいいと思うの。  大地の色をしてるでしょ。  彼の一番好きな色よ」 「ジャスパー…J…  これか。玉髄の仲間だね。  石英系の石」 ピュンマがページを開いたのを4人で覗き込む。 柔らかな茶褐色の石が写っていた。 「ネイティブアメリカンのある部族では、  この石を使って大地と通じる感覚を高める…  あはは、彼にぴったりだ」 愛想の無い説明文の下にかかれていたコラムをピュンマが、 フランス語が読めないジョーのために声に出して読む。 「ふむ、女性のカンは素晴らしいと言うが、  マドモアゼルのカンも全く大したものだな」 「フランソワーズは何時だって素晴らしいよ。  さっきだって…」 「ジョー、それよりお茶の変わりは如何かね?」 ジョーが言いかけた惚気は、にこやかなグレートの科白にさりげなく謀殺された。 「えっと、最後はアルベルトね。  んー…、何かしら…?  アルベルトそっくりな石…?」 言った後で、思わず首をひねるフランソワーズ。 冷静で、硬質な雰囲気。そのくせ、たまに見せる激しい表情。 アルベルトの顔を思い浮かべながら思わず唸る。 「やっぱり白い石かなあ?」 と、ジョー。彼の、北方系らしい白い肌を思い浮かべる。 「銀じゃないの?」 と、ピュンマ。柔らかな質感の銀髪が頭に浮かんだらしい。 「いや、蒼だと思うがね、我輩は」 と、グレート。 きらきらと人工的に光るアイカバーから透けて見える、蒼眼。 「ということは、青白くて、銀色に光るような石…かしら?」 「そんな石あるのかなぁ?」 真面目に考え込むフランソワーズに苦笑しながら答えるジョー。 「ん…あるかなあ…?」 「何か見つかったかね」 ぺらぺらと最初から本を見返すピュンマに声をかけるグレート。 フランソワーズが発破をかける。 「アルベルトだけ石が見つからないなんてそんなこと駄目よ。  絶対ぴったりの石、見つけましょうね」 「そんなこと言われても無いものはどうしようも…」 「あった」 「ぅえ?」 言いかけるジョーを遮って、ピュンマが声をあげる。 思わず素っ頓狂な声をあげてしまい、赤面するジョー。 「ほら…これ見た瞬間アルベルトだ、って思ったんだけど」 言いながら見せたそこに載っていたのは、柔らかな淡い色彩の石だった。 灰色がかった、蒼とも白ともつかないような微妙なブルー。 「本当だ…何かアルベルトだ。  何ていう石?」 ジョーも感嘆したように言い、ピュンマに説明をねだる。 「えっと…『セレスティン』だってさ」 「セレスティン(天上の)?」 訝しげにフランソワーズが問う。 ぱたぱたと手を振るピュンマ。 「ううん、違う、そっちの意味じゃなくて、  ブルーイッシュ(青い)ってほう。  あーでも見て、これ」 どれどれと皆で覗き込む。 「『この石からはストロンチウムと言う元素が取れ、燃えると赤い炎を出す』」 フランソワーズが読み上げる。 「青い石なのに、取れる元素は赤いんだ…」 面白そうにジョーが言う。 「いやはや、あの死神殿に全く見れば見るほどそっくりな石だな。  全く、これだから自然は面白い」 「ふふ、本当に。  今度アルベルトが来たら教えてあげましょっと」 これまた楽しそうなグレートとフランソワーズ。 何となく盛り上がるフランソワーズ達を見ながら、ピュンマはふと思いついた。 「だったらこの本ここにおいていくからさ、  今度アルベルトや、他のみんなが来たときにでも教えてあげたら?」 「あら、持って帰らないの?」 「うん、国に帰れば忙しいし、どうせ読む暇なんて無いからさ。  部屋の本棚に入れとくから、好きなときに持っていっていいよ」 「ほんとう?  ありがとう、お言葉に甘えさせて頂くわ」 心底楽しそうに微笑むフランソワーズ。ジョーとグレートも、楽しそうに笑っている。 和やかな、午後のティータイム。 ピュンマの、大好きな時間。それは宝石となり、彼の中で輝く時(おもいで)として結玉する。 楽しそうな3人を見ながら、ピュンマも破顔した。 *** 『Gem Times』 008、ピュンマがメインのお話 …ではなくて、むしろでてくる鉱物がメインです(きっぱり) まあ、ピュンマが主人公ではあるんですが。 出てくる鉱物は、なるべくメジャーなものを選びました。 ジェットとお兄様は一寸マイナーになってしまいましたが、検索すれば多分すぐ分かると思います。 本当は、一番最初に決まったのは、お兄様(何度も言うようですが、 私004のことをこう読んでます)の石、セレスティン。 すんごく綺麗な石です。割に脆くて、傷がつきやすいのですが(苦笑) 私が好きな石の一つです。 逆になかなか決まらなかったのは、張大人。 最初は翡翠にしようかと思ったんですが、あまりそんな感じじゃないな、とあっさりボツ。 でも未練がましく出してみる… 因みに翡翠、本当は中国では産出しません。 ミャンマーが産地です。 『ケニア産の紅茶』というのは、うちの学校の教授に頂いたもの。 日本じゃ売ってないそうで、教授が外国に行ったときに買ってきたお土産だそうです。 あ、それと「石の中に虹が見える」と言ったのは、確か宮沢賢治だったような気がします。 …あやふやです。すいません…